ドクター伊藤の健康コラム 医療あれこれ日記

2020年9月21日

椎間板ヘルニアの治療と感染症

椎間板ヘルニアのレーザー治療(PLDD)は頸椎であっても腰痛であっても感染症のリスクは他の手術に比べて滅多にありません。しかし一方で手術である以上ゼロにはなりません。しかしながら、術前の消毒や使い捨ての手術道具はもちろん、その対策は必要で当院では術前術後の抗生物質の投与は点滴でも内服でも行っています。それでも感染が起こった場合、その細菌はどこから来るのでしょうか?頸椎PLDDの場合、首の前方から穿刺針を挿入するので食道を貫通すればそこから感染すると言われてましたが、当院では術中に穿刺したまま食道の動きも見ますし、その場合は食道になんらかの症状が出るのでわかるでしょう。感染原は術後に残った異物である場合が殆どです。細菌は血行性に運ばれてくると言う論文がほとんどです。そこに異物が有れば感染するという理屈です。ではその異物の殆どは炭化した組織、即ち焦げた組織や血腫です。そこで当院は組織を焼くのではなく、パルス波と呼ばれるレーザー光線を熱でなく、パワー即ち力で削るようなイメージで組織を蒸散しています。この理屈をわかっていない医師がPLDDを行えば、感染のリスクは高くなります。だからPLDDを扱う医師には物理学の知識が必要だと強調するのです。ましてや同時にフィビリンという血液から作ったノリや組織を再生すると称して生物学的な異物を入れると感染症のリスクは上がります。PLDDはむしろ感染症のリスクは他の治療法に比べて低いのです。PLDDよりも穿刺して異物を入れる治療法の方が感染症のリスクは高くなるという事をご理解頂からば幸いです。

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